生きている稽古

昨日は久しぶりの金山孝之さんとの稽古の日。先月は都合が合わず、約2ヶ月ぶりの稽古となった。こうして見ると毎月1回の稽古が慣例になっていたんだなぁと改めて感じた。



さてさて、そんなこんなで今回の稽古は2ヶ月ぶりという事もあり、結果として深〜い充実した稽古となった。



杖術、体術、剣術、お話と今回も色々と稽古させて頂いた。



話をする事で、とても稽古になる方は非常にありがたいです。



中でも杖術は本当に得る事が多かった。
これは、恐らく自分で稽古していっても気付かなかった事ではないかなと思う。内容としては手の内をほんの少し変えるだけだが、そのほんの少しが物凄く大きい。明らかに杖の走りが変わった。これを質的転換と呼ぶのだろう。量の稽古の延長線上にあるのでは無く、自分の状態を観て質的転換を図っていく。まさに来月から始まる動観法そのものだろう。あんな少しの変化でここまで変わるとは、久しぶりに稽古をしていて感動しました。新しいおもちゃをもらった子供の様にワクワクしてしまいました。手の内がどう変わったのかは、今度の講習会の時に伝えたいと思います。



他にもお辞儀潰しも行った。
これは基本を金山さんに教わり、その後は独自のやり方に変わっていった。1つの動きに対してもそれぞれの感覚で動く。正解は1つではないので、それぞれの感覚で崩していければ良いと思う。ただ力任せでは無く、それが技として活かせていれば。私の場合はやはり接触面での関係性を意識すると崩れやすくなる。金山さんのようにスムーズには中々行かなかったけれど、感覚的には得るものは大きかった。金山さんのを受けた感じは、崩されて気持ち良かった。首に杖を当てられて崩されるのだが、首も程よく当てられていてマッサージ効果もあるんじゃないかな(笑)



そして立体的に動いていく事。これは体術でも深く関係しているが、ついつい力任せになって力の方向性が一点になりやすい。その為に相手もその方向性を感知しやすい。ここで方向性を多方向出していくと動きが立体的になり、相手も様々な方向から来るのでどの方向性に対処したらよいかが難しくなり崩れやすくなる。



剣術は影抜きと胴斬りを行う。
影抜きについては普段の1人稽古で少しやっているだけに、金山さんとの動きの違いをみて、あぁ金山さんと稽古していて良かったと心から感じた。やはり1人ではどうしても気付かない事が多い。それはいつの間にか、同じスパイラルの中で稽古してしまう事が習慣化されてしまいがちだから。それが気付きに対しての邪魔をしてしまうのは分かりきっているのに、いつの間にかその沼にハマってしまう。改めて稽古を見直していく事の重要性を学んだ。影抜きも、手の内をほんの少し変えるだけで動きが大きく変わる。着目点を変えて様々な角度から動きを観ていかなければ!と強く想った瞬間だった。



胴斬りに関しては、金山さんの気付きで、待てる時間が長くなった。ここは詳しくは金山さんのブログを見て頂きたい。急ぐと、ろくな事はないなと痛感しました(笑)



体術は普段よりも丁寧に観ていけたと思う。相手と繋がるまでの接触面の役割。そこから関係性を崩さずに体幹部や肚、脚が連動してその働きで崩す。それを瞬間的にやる。動きを分解して観ていっても最後にそれらを一連の一瞬の動きで体現しなければ、プラモデルを分解して組み立てたら何を作ったのか分からない様な酷いものになっていたという事になりかねない。そこは稽古していく上で重々気を付けていかなければならない事である。



今回は今回で金山さんの生きている説明があったし、私もその場で生きている説明をしたと思う。それはやはり鮮度が大事。どの部分で相手に響くかは分からないが、今回はまた新たな(周りには毎回同じ様に聞こえるかもしれないが)その場の雰囲気、感覚で説明していったので通ずるものがあったのだと思う。これは動画では伝わらない稽古の醍醐味だろう。



2ヶ月分が詰まった本当に内容の濃い〜稽古となった。金山さんにはいつも学ばせて頂き、今回は特に得るものが多かったです。ありがとうございました!また、来月のハピコラや稽古でもよろしくお願い致します!