卓球と武術の動き

本日は伊勢原で卓球の方向けの講習会。
この講習は前半を身体操作、後半を卓球という少しユニークな組み合わせ。通常ならば卓球は卓球の練習のみが多いと思うが、私がお世話になっている卓球スクール夢想塾代表の脇田孝志さんは、もう何年も前から古武術の身体の使い方に関心を持ち、それを卓球に活用すべく甲野善紀先生の講座に行かれたりしていた。その後縁があり私を伊勢原に招待していただき、現在、月に2回水曜日と金曜日に古武術の身体使いを指導させていただいている。
 
水曜日の回は体育館での講習と場所が広いので、なるべく杖を使った内容も取り入れるようにしている。

本日の内容は足の使いと待つ感覚、そして杖。

足の使いは、足裏の接地面の感覚から入った。卓球の動きは、蹴った動きをするとピョンピョン跳ねて身体が上下動して疲れやすくなる。また、蹴るという動作は足裏全体の使いに比べ、部分的に負担がかかりやすい。膝とか。これは何年もお伝えしていることだが、自分が1番実感していると思う。

足裏全体に感覚を向けていき、そこから地面にアロンアルファが塗ってあって(実際には塗ってません笑、あくまでも塗ってあるように動こうとするということです)、足裏全体を引き上げようとする動きをする。もちろん接着なんてしてないが、あくまでもその感じで。そうすると足全体に程よいテンションがかかる。その状態で上手く足を使うと、動きの伝達が蹴るそれよりも速い。かつ負荷を部分ではなく、より全体に散らしているので疲れにくい。

そういった感覚を少しずつではあるが練っていって、次はアメンボをおこなった。これは、武術稽古やイベントで大変お世話になっている剣術家の金山孝之さんから教えて頂いた稽古法で、アメンボのようにスイスイと前へ進む歩法である。しかし、ただアメンボのようにだと、足をすり足の様にして滑らせてしまうだけである。ここで、先ほどの足裏全体の使いと引き上げの感覚を出して、足の滞空時間をより長くして前へ進むのである。これも足の運びや肚を練る稽古としてはかなり良いと思う。これをやっている時も皆さん夢中になってやっていたので、それを見ていて何だか楽しくなってきた。

ある程度動いて身体が温まってきたので、次は接触技法について行った。この接触は一見すると卓球と関係ないと思われるが、ボールがラケットに当たり、その当たった感触が手に伝わってくるという感覚は接触技法と密接に関係していると思うので行っている。触れた感覚とは、本当に様々なものがあると実感している。今回は触れた瞬間に「待つ」事で身体が整い、より体幹が使えてくる動きを説明した。これは前回の金山さんとの稽古で発見した「余韻からの動き」である。これは、動くときについつい肩や胸がフライング気味に出てしまうので、まぁ落ち着いて手が先に行くのを待ちましょうと身体に語りかけると、そうですねと身体もそのモードというか状態になる。そうなると、押えられた時の心の持ちようが不思議と変わってきて余裕が生まれてくる。この感覚の検証、稽古を行っていった。


そして最後はお決まりの杖。脇田さん曰く、杖で稽古した後にラケットを持つとかなり扱いやすくなるとの事。私自身も実感しています。杖に慣れるために滑らせる動きから入る。そこから今回は突きと払い打ち?の連続動作を行った。単体の型や動きだと皆さんスムーズに行えるが、それが連続の動作となった途端に??マークが頭の上に出現する。脳トレですね。頭ではこう!と思い描いてるのに、身体の方は全然違う動きをしている。ちぐはぐしていました。1つずつ動きを丁寧に観ていき、絡まった糸をゆっくり解いていく様にじっくりとやっていった。講習時間が少しオーバーしてしまったが、皆さん何とか動きを覚えたようで良かった。…そう願います。次回の時には恐らく忘れていると思うので、復習を兼ねてまたやっていこうと思う。


今日の講習写真を何枚か。

皆さん真剣に取り組んでいます!


体育館の広いスペースを存分に活用できるので、有難いです。


塾長の脇田さん。構えが絵になります!


そして、奥様でヒプノセラピーをやられている由美子さんが動画を撮って下さり、編集もして頂き、さらに動画をyoutubeにアップして下さっているので、是非見てみて下さい!

こちらからどうぞ!