「合宿しませんか?」
この一言で始まった今回の旅する身体in長野合宿。伊勢原で定期的に行なっているクラスの生徒さんが声をかけて下さった。
合宿地は長野の標高1500メートル地点のとある場所。流石に寒い。残雪があり、合宿中もちらちらと雪が待っている時もあった。空気はとても清んでいて、久しぶりに山に来た感じがした。周りも静けさに包まれていて、鳥のさえずりや木々の揺れる音だけが聞こえてくる。とても心地よい空間。
今回の参加者は私も含め8人。皆、私より年上の方々である。もともと私のところに来てくださっている方は、ほぼ年上である。最近では若い稽古人も徐々にではあるが来て下さっている。年齢が上の方と稽古やお話をさせて頂いていつも思うのが、年齢を感じさせない。
動きもそうだが、何よりも発想が若いし考え方が柔軟でお話をしていてこちらが学ぶ事の方が多い。どちらが先生か分からない。本当にありがたい事に、私の周りには好奇心があり、いつまでも学ぶ姿勢でいる方が多い。楽しい事を素直に楽しくやっている方々なのだ。話し出すとスイッチが入り、いつの間にか時間も忘れて話し込む。純真な大人達。子供の心をもった大人達と言ってもいいかもしれない。
そんな方達との合宿である。
合宿は
- 杖術
- 身体術
- ヨガ
の三本柱構成で行われた。
杖術では、はじめに杖を用いた準備運動を行い、身体の可動域を広げていく事から始めていった。 初めての方には杖の型をいくつか紹介して練習してもらった。常連組には間を詰める動きや、杖を介した相手との接点の関係などを検証、研究してもらった。難しい〜と言っていた初めての方々も、次第に夢中になっていくのが感じられ黙々と稽古されていたのが印象的だった。手の持ち方や構え方、動かし方、左右、と杖は初めての方には身体だけでなく頭も働かせていくので難しいかもしれない。難しいかもしれないが、ある程度出来てくると身体が動きを記憶する。次の時に忘れていても、身体を動かすと自然と動きが出てくるのは杖の特徴の1つかもしれない。
身体術では、皮膚と皮膚の繋がりや先の動き、姿勢の整え方や方向性を出す稽古を行った。繋がり方1つで相手を崩したり、自分の重心が崩される事を実感したり、逆に安定した身体を感じてみたり、身体にはこんな側面があるのかと新しい見方を発見して頂いたり、触れ合う事でいつの間にか笑顔になっていたりと、身体感覚の面白さと不思議さを実感してもらった。
ヨガはインストラクターである妻が担当。身体、心、息を整えていき、末端が中心へと身体の繋がりを感じて準備運動からアーサナを行なっていった。左右差や、気になる部分、詰まりを感じていき、呼吸とともに身体を整えていく。身体が整っていくと気持ちも落ち着き、静かな状態になる。終わった後の清々しい顔は、見ているこちらも清々しい気持ちになる。
稽古後はお風呂と夕食。
お風呂は冷えた体を芯まで温めてくれた。
夕食はとてもボリュームがあり、肉や魚、野菜と種類も豊富でとても楽しめた。
夕食時の写真。
夕食後は食休みの後、夜稽古。
歩き方座り方や体の捌き方の稽古を行った。
腰を落としてブレずに歩くのはなかなか難しい。普段使わないところも使い、集中も必要。地面を蹴らずに引き上げる感覚で歩く。「地球に優しく」が接地に関しては重要。
稽古の後は懇親会。
稽古から畑から山から様々な方面に話が咲く。こうして夜は更けていった。
次の日は早朝ヨガからスタート。
標高1500メートルと朝の空気が身心の内側の流れも変えてくれるようだった。
太陽礼拝やプチ瞑想で清々しい1日のスタートをきった。
早朝ヨガの後は、ごはん、食休み、稽古。
稽古三昧である。
食休みの時間を使って少し外を散策。
鳥のさえずりに耳が傾き、密集した木々や松ぼっくりに目が止まる。松ぼっくりを触ったのは一体何年ぶりだろうか?子供の頃の感触が蘇り懐かしさを感じる。普段視界には入っているはずなのに、いつの間にか見えてない事にしていたサイクルを見直すいい機会だった。
朝稽古。
前日のおさらいと自由稽古。
各々が何をやりたいかを自分で決めていく。
実は、これが1番難しい稽古だと思う。
自由にしてくださいと言われると、逆に何をしていいか分からないからだ。今回は、「おさらい」というキッカケを作り、そこから派生していく形の稽古となった。2時間の稽古はあっという間だった。
稽古をして深めていきたい方、初めてでおっかなビックリ参加してみた方、楽しみたい方、皆さん様々な心持ちで参加されたことと思います。合宿を通じて、合宿に来てよかったと感じてもらえる事と、何か1つでもお持ち帰り頂ければ幸いです。私自身、開催側ですが、沢山のお土産を頂きました。もちろん目には見えないお土産です。
また折を見て合宿を開催させて頂きたいと思いますので、今回行きたかったけど行けなかったという方は是非ご参加ください!ご興味のある方なら基本的にどなたでも歓迎です!
今回、合宿を開催して心から良かったと思います。
最後に
ご参加くださった皆様
お世話になった研修所の方
そして、今回主催して下さったS夫妻
本当に心からの感謝を申し上げます。
ありがとうございました!
0コメント