身体の可能性

夏至の昨日、久しぶりに本厚木にある木もれ陽サロンにて古武術ワークショップを行った。


今回はご依頼を受けての開催。


いつも通りの内容だったが、参加者の方の反応は特によく、こちらも手応えのある回になった。武術の稽古では手応えが無い方が良いといつも言っているが、それでもやはり手応えがあるとおっという感じになる。


みんな自分の身体の可能性に気づいていない。ワークショップが進んでいくうちに「うそー」、「ホントに⁈」とびっくりされる場面が多くある。


ちょっとした感覚の向け方で身体は実は大きく変わっている。


ただ、感覚が育っていないと変わっている事に対して自覚もなく気付かない。そうすると、そのまま気付くことなく終わってしまう。


ワークショップの最中に面白かった出来事がある。ある動きでAの場合とBの場合ではどちらが強いか分かりますかと質問した時、ある方が直感ではBだけどやっぱりAと答えていて、実際にやってみたらBの方が強かった。はじめは直感を信じていたのに、頭で考えて「いや、こちらが強い訳がない。」とどこかで思ったのかもしれない。固定観念が強いとどうしても頭の介入が強くなってきてしまう。その方は柔軟な方なので、やっぱりBにしておけば良かったと笑っていた。



また違う方は「今まで背中なんて意識したことなかった」と仰っていた。
物理的に存在する身体では確かに背中はあるが、感覚的な身体ではそれが無い。実はこの物理的な身体と感覚的な身体の悪い意味での齟齬が身体への信頼を失っている一つの原因である様に思う。背中があると感じられればどんなに心強いだろうか。背中は自分では直接見られないけれど、感じる事はできる。把握するといってもよいかもしれない。あぁ、こんなところにこんなものがあったのね、と稽古していく中で身体の新たな場所を見つける事もよくある。なかには一般的な解剖学の身体とは全然違う場合もある。その時にその解剖学の身体の枠で見てしまうと「そんなはずはない」となってしまうが、感覚としての身体では確かに存在する。そこが頭でっかちになっているか、身体の声を聴けているかの一つの分かれ道のような気がする。



ともあれ、今回も新たな身体の気付きに参加者の方は不思議さと愉しさを感じていてくれている様だったのでこちらもやった甲斐がありました。身体って面白いなと感じて頂けたなら幸いです。ありがとうございました。



ワークショップなどは、基本どちらへでも出張します。気になる方はお気軽にご相談下さいね。お待ちしております。