「はらう」感覚

「はらう」事について気付きがあった。



払う、祓う、掃う。



少し前に「水払いの手」という感覚を得た。

これは、特定の技や動きに対しての身体運用法であったが、今回の「はらう」は根本的な身体感覚といってもいい気がする。はらう時の力みが抜けている感覚は、全身が協調するようにうまくできている。



例えばほうきは、ゴミや空間をはらって(掃いて)掃除をする。

はらって掃除をする時に力んでいると、当然部分的に疲れがひどくなってくる。

水払いの手の様にはらう感覚で掃除をすると無駄な力みが抜けてくる。

はらう感覚でほうきをはらうとは少しややこしい気もするが、とにかくはらうのである。

ほうきで掃除すると、掃除機で掃除したのとは違い空間もキレイになる。そして場が整う。

これは、次に書く祓う効果も自然と生み出しているような気がする。



祓う。汚れを祓う、厄災を祓うなどに使われる。

神社のお祓いの時に、御幣(ごへい、神主さんが神前で振る道具)を使って汚れを祓っている。この時も御幣をはらっている感覚がある。

力強くはらっている神主さんはあまり見たことはない(なかにはいるかもしれないが)。

身体に何か違和感(場所に行って変なものをもらった感じがする時など)があったら、その部分に対してはらう動作をする。これもなにか汚れの様なものがついたのを祓っている感覚だと思う。



はらう感覚の時に、ただ部分的にはらっていても意味がない。

やはり全身の協調性が重要になってくる。そこも意識しすぎるとかえって力みが生じてしまうので、普段の生活になんとなくはらう感覚を入れていくといいかもしれない。

料理しているときや掃除をしているとき、それこそほうきで掃いているときは感覚が掴みやすいかもしれない。初めは少し大げさに動いてみて、少しずつ体内感覚に落とし込む。

何気ない動作の中に、技の原理が隠されているかもしれないと思うと、日常の動作を観る目も変わってくる。これが、身体を観ていく上で面白いなぁと思う事の一つ。




この感覚は少し長い目で工夫していこうと思う。