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落下と重さ

子供を抱っこしていると、だんだん下へずり落ちていって抱っこしなおすなんて事はよくある事だ。そんな『子供を抱っこしなおす』事が気付きのキッカケになるなんて、これだから身体は面白い。この感覚は、身体の中のタイムラグ問題を一気に解決してくれる糸口になると思う。先日の身体操法は、落下する重さを使うという内容で稽古を進めていった。膝の抜きや音無しの着地などを通して、稽古に来られている方が分かりやすいように進めていったのだが、いざ対人となるとどうも「間」がずれてしまう。何かを持ち上げる動作をする時に、ヨイショとやってしまうと足で踏ん張ってしまい部分的な力みが目立つ使い方になってしまう。足裏を柔らかくして自分の重さが落下していくように上手く抜いていくと、それと同時に手は上がり、結果として持ち上げる物の本来の重さがフッと消える瞬間がある。シーソーなどを思い浮かべると分かりやすい。その「間」がなかなか分からないので、身体が沈み終わってから手を上げたり、不自然に同時にやろうとしている感が強かったりと苦戦している様子だった。それでも稽古が進むと少しずつ感覚が掴めてきたようだったが、子供を抱っこしなおす感覚と伝えておけば、もっと感覚も掴みやすかったかもしれない。なぜ子供を抱っこしなおすという例えの方が伝わりやすいのかと言えば、子供は抱っこしている時点で一体化しているからだ。一体化しているとは、ある種噛み合っている事。噛み合わない歯車はそれぞれ別々に動いているだけ。歯車は噛み合って初めてその歯車たるやが発揮される訳だ。体は物理的には地続きで繋がっているが、感覚という層ではぶつ切りになっている所が山ほどある。単に繋がっていれば良いという訳ではないが、ぶつ切り状態では力みが集中する箇所があり、怪我をしやすい体となってしまう。子供を抱っこしなおすという動作の中には、重さを使う、瞬間的な無重力状態を生み出す感覚、そしてそれを活用できる身体感覚が既に備わっている事を意味する。あまり書きすぎると私自身も混乱するので今日はここまで。

出張講座/世話人について

旅する身体では、個人稽古(セッション)やグループレッスン(講習会)、講座も行っています。 こんな方に ■スポーツに活かす 特に接触系の動きに応用が利きます。 競り合いや、崩し、相手を浮かす(持ち上げる)など筋力に偏らない全身を協調させた動きのご提案。 ■介護に活かす触れ方や身体の使い方、自分と相手の関係性、重心についてなど、自分も相手も疲れにくい動きをご提案。 ■武道や柔術など動きの質を見直す場として  ■身体に携わる指導者、セラピスト、各種インストラクター 今までに、武術家、スポーツトレーナー、武道経験者、身体に携わる指導者、ヨガインストラクター、セラピスト、スポーツ愛好家、整体師などの方々にご参加頂いています。 ■チームや企業の研修の一環として部分的な力みから全身を協調した動きをお伝えします。身体だけでなく心の面の負担も見直せます。 ■古武術、身体の使い方、ヨガに興味があるその他、普段身体を動かしたりしていない方でもご興味のある方。 ◯古武術・身体操法/瑜伽・ヨガ/独自の研究術理/身体観から各人に適する内容を行います。 世話人の方も募集しています。  定期的に稽古会を主催してくださる世話人の方を募っています。 ■自分の近くで定期的に稽古会をやってほしい(武術の身体の使い方でもヨガでも)  ■何人かやりたい人がいて、近くの場所でやってほしい ■毎月でも3か月に一度でも■講座や研修として依頼したいご希望の方は、場所や時間、日程、内容、人数、謝礼や交通費についてお知らせ頂きますようお願い致します。tabisurukarada@gmail.com まで。    

整体院での講習

昨日は整体院での講習会でした。昨年の5月頃に呼んで頂き、2度目の開催となります。今回の講習では、施術にも活かせられるように『重心の移動』『接触から観る相手との関係性とゼロ化』を中心にお伝えしていきました。表の目、裏の目の話や鉄棒の話もちょこっとだけ。ありがたいことに「分かりやすかった」「話の順序立てが勉強になった」「整体の考えと共通している所が多かったので、入ってきやすかった」「ゼロ化は不思議」などのご感想を頂きました。最後の質疑応答の時間でも伝える事に関して、色々と聞いてくださり、私も話をしていて納得する所が多かったです。和やかな雰囲気の中でしたが、皆さん真剣に耳を傾けて下さり、実技で体験して頂きました。懇親会でも現実的な話から深い話まで、とても充実した時間となりました。ご参加の皆様、本日はありがとうございました。新たな気付きのキッカケになれば幸いです。先月のフィットネスケアのお店に続き、今月は整体院での講習。身体の事に、新たの視点を求めている方や動きを体験してみたいという方はお気軽にご相談下さい。日程が合えば基本どちらでもお伺いするつもりです。

雲山ベースについて

雲山ベースのコンセプトは、『変わりゆくもの、変わらないもの』雲ー変化二つとして同じものはない山ー普遍いつもそこにあるもの「生命-いのち-は全て動いている」絶えず変わりゆきつつ、普遍さを持つ身体や心も雲や山のように変化し続けそこにあるそんなテーマをコンセプトに雲山と名付けました。身心も絶えず変わりゆくが、変わらない本質がある。変わりゆく事を徐々に受け入れて、変わらないものに気付いてゆく。例えば水は流れると川になり、溜まると湖になり、水蒸気となり雲となり雨となり、海となります。しかし、水という本質は変わりません。水の本質を知れば、氷にもなるし、霧にもなります。身心も似ていて、本質に気付いてゆくと、変わりゆくものの応用が効きます。変わりゆくものは、単体ではなく、連綿と続きます。身体の使い方や、呼吸法、技法などの稽古をしていますが、その中から少しでも雲山のコンセプトになるようなものを感じて頂けたらと思い活動しています。そんなコンセプトにピンときた方は、雲山クラスへお越し下さい。